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うおこの入院生活記-「5、6週間目」

とうとうコジロウは病院で生後1ヶ月を迎えてしまった。
日本ではお宮参りの時期だ。長男のコタロウは生後半年の時に日本へ一時帰国し、春日大社で氏神様に健やかな成長を祈ったものだ。


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コタロウは風邪以外の病気知らずで、本当に元気に育っている。
コジロウにもどうかそうなって欲しい。
でもここには神社も何も無いので、なんとなく病院併設の教会を見上げて心の中で願ってみた。
(神様違いですまないねぇ・・・)


お役所からは、いい加減コジロウの滞在ビザの申請に来いと、夫に電話があった。

入院していて写真も撮りに行けないんじゃ、ボケェ!!

とは言っていないけれど、事情を説明して待ってもらうことに。



入院生活5、6週目は、早期退院を望みつつもそれが叶わないことへのジレンマに揺れた期間となった。

コジロウの身体を蝕んでいた菌を無くすための薬はもう使われていなかった。
しかしあまりにも症状が重かったために体力が奪われて回復に時間がかかっているのと、ミルクがほとんど飲めないために体重が増えず、退院して通常生活を送るに足る力が不足していた。
それと、原因究明のための検査、検査、検査・・・。


コタロウはもう限界にきていた。
食欲が失せ、あんなに大好きだったパンもほとんど食べない。昼間預けている友人宅で昼食も残しているらしい。夕食は自分で食べようとせず、夫が膝に乗せて食べさせてあげたらなんとか食べるといった調子。
大食漢のコタロウの影はもうない。

特に朝食をダラダラ食べる。出かけてしまえば友人宅で同じ年頃の友達と遊ぶのが楽しいのだろうけれど、朝食を食べて出かけるとパパ、ママと離れてしまうのがわかっているからダラダラするのだろうか。だとしたら、それに抗えずにいるのが可哀想だ。本当は出かけるのが嫌なのに仕方なく従っているのだろうか。

夫に病院まで車で送ってもらい、そこで降りる私を「コタちゃんも、コタちゃんも(降りる)~~~」と下唇を震わせて泣く。

家では「パパ、パパ」と言ってはべったりくっついてくるらしい。
寂しすぎて死ぬんじゃないか、なんて夫は言う。


そのコタロウは、言葉の成長が目覚しかった。
会うたびに「こんなこともできるようになったのか」と驚かされる。
語彙も増えたし、過去のこともしっかり覚えていて「コタちゃん○○した」など、文章を正確に話す。
ただ鉛筆を動かしていただけのお絵描きも、小さな円を描いて「電車描いた」と言う。何か具体的なものを意識して描いたのは初めてだ。
こんなに成長しているわが子を見ずに過ごすなんてもったいなさすぎる。


一方コジロウには1日に摂取しなければならないミルク量と目標体重が設定された。これがクリアできれば「退院」の二文字がみえてくる。
しかし現実は厳しかった。ミルク量は徐々に増えていたが目標到達には至らない。そして何度も吐き戻す。おそらく腹痛のせいで、ミルクを飲ませる体勢になったとたん大泣きして飲めないことも毎度のようにあった。

今更焦っても仕方がない。この子のペースにあわせなければ、と夫に助言されるも焦燥感に苛まれる。
今朝も目を覚ましたコタロウは家の中でママを探していたらしい。居ないとわかった時の落胆はいかほどなのか。どれだけ小さな心を痛めているのだろうか。
本当に、本当にコタロウが壊れてしまう。早く、早く。



病気の原因が解明されるまでの間は、さまざまな可能性が疑われた。もしかしたら何かしら先天性の病を抱えているのではないか、身体の機能に異常があるのではないか。妊娠中に何か病気にならなかったかと何度も質問された。結局行いはしなかったが、私からも採血してコジロウの血液と比較してみる・・・なんて話も出た。

そんな話の後、自宅に帰る夫とコタロウを見送ってから病室に戻り、コジロウを胸の上に抱いて私は泣いた。涙が出て止まらなかった。もう泣くまいと何度も思っていたが止められない。
これが終わって退院したら全てがクリアになると思っていたのに。何か別の重い病気なのかもしれない。
一見健康体のこの小さな身体。
コジロウ、コジロウ、何故こうなっちゃったの。誰にもわからない。

(※今は無事に毎日を過ごせていますのでご安心を・・・)



看護婦さんがコジロウのベッドにメリーゴーランド(?)を取り付けてくれた。
布でできた動物たちが頭上でクルクル周るものなのだが、コジロウはそれを目も口も大きく開けて興味深そうに見ていた。

「興味あるよねー、もう大きくなったんだもんねー」と看護婦さんが語りかけているのを聞いて、自分の息子なのにああそうか、って思ってしまった。


毎日一緒にいるものの、実はあまり生活している感がなかったのだ。
なんとなく義務と言うか、ミルクをあげて寝かしつける係りのような気がしていて。
どれだけ自分の息子に触れていいかもわからず、あちこち連れ出せるわけでもなく。決まった時間にミルクをあげて、機械につないで、病院から与えられた服を着せて・・・。

でももう一ヶ月半になろうとしている赤ちゃんなんだ。
私の中では生まれた時で時間が止まっていたけれど、ちゃんと動いていたのね。
もうメリーゴーランドに興味を示す時期になっていたんだね。
ごめんね、ママ、気がつかなかったよ。



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9月も後半に差し掛かった。
私はコジロウに語りかける。
コジロウ、もう秋だよ。早くおうちに帰ろうよ。



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コメント

備忘録としても、劇的な日常を記しておくのは大切な事。
それも、子育てに淘汰されて記録する事すら留まったら創作意欲すら萎えてしまうもん。

後日、この日あの日の辛さや寂しさを思い出して今日今この瞬間に感謝出来るような、
そんな平穏と安心が訪れるように、いや、訪れるはず!そう切望して読んだよ。

上の子と下の子、同じようには絶対出来ないよ。そんなもんだよ(;´Д`A ```

>imaちゃん

書くのは大変だったけれど、なんとか書いておいてよかったよ。
その後の日々の雑多なことで忙殺されて、案外入院していたときの事忘れがち。あんなに辛い思いしたのにねぇ(笑)。
imaちゃんが言うような平穏と安心の毎日が訪れること、私も切望するわー。

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