フォト

編みぐるみ作品

  • 28 顔デカ ダックスフント
    手づくりの編みぐるみ作品を販売しています。 作品はオーダーメイドです。 作品参考例をご覧下さい。 ご注文、質問等はメールにて。 このブログのコメント欄にメールアドレスをご記入ください。 折り返しご連絡を差し上げます。
無料ブログはココログ

« これはいい!おうちの中で砂遊び | トップページ | 最近のこと »

うおこの入院生活記-「1週間目」

医療の現場を見るのはとてもつらいものだった。

特に私はドイツ語が日常会話もそんなにできないので、息子の容態についても「良いのか、悪いのか」くらいしか尋ねられない。

「何がどう悪いのか」「今おこなっている治療はどんなものなのか」
とにかく全くわからない。

夜中に様子を見にいくと、コジロウにつながれた機械が何度も異常音を鳴らしたり、警告の赤いランプが点滅。
そのたびに不安になって、看護婦さんに大丈夫なのか問い合わせた。
異常があると看護婦さんはすぐに来てくれ、警告音を止めたり何かしらの処置をしてくれる。
でも来るのが遅かったりした時は、コジロウの体の何かを測定しているその数値を見ながら「ああ、これ以上数値が上がらないで!」「こんなに数値が下がっている。どうしよう・・・」とオロオロしながら何もできずにモニターを眺めるしかなかった。

採血をしたのか、手から血を流している。
薬のせいなのだろうか、尿が異常な色をしているように見える。
何をしているかわからないだけに不安で、こちらの心臓がやられそうだ。


今は身体を安定した状態に保つことが重要とのことで、コジロウは薬によってずっと眠っている。
起きているといろいろな刺激を受けたり、泣いて興奮すると治療の妨げになるからだ。

光が、あるのに。
夏の日差しを感じることもなく、シェードの降りた薄暗い治療室で目を閉じたまま。

次に目を開けたとき、初日に見たママの顔を覚えていてくれるかしら。



友人、日本の家族に報告するのがまた辛い。
初日に出産の知らせをした友人から、病院に行くよという連絡が入る。
でも、状況が変わったこと、転院したこと、両親以外は面会謝絶になっていることを説明して訪問を断る。
そのとき、どうしても声が震えてしまう。

実家の家族にも連絡。心配をかけるだけかもしれないけれど、仕方が無い。状況は説明しないと。とりあえず私は何とか元気であることを伝えるためにも。

そうなのだ。ここは私が元気を出さなくてはならない。辛い医療現場も受けとめて。
だって、コジロウが一番辛くて、その小さな身体で耐えているのだから。
しかし産後の私の身体はベッドに横たわるだけでみぞおちのあたりに激痛が走り、お腹も痛い。坐骨神経痛もあって動きはヨタヨタだった。



この1週間目というのは、常に一喜一憂する日々だった。
とりあえず緊急事態は免れたと聞けば喜び、状態は良いが薬の効きが悪いと聞けば沈み、しかしコジロウの顔を見れば不思議と元気もでた。
チューブにつながれてはいても、かわいいと思う。頑張ろうと思えた。

ずっと見ていたら、目は閉じていても眼球が動いているのがわかった。
新たに投与した薬の影響なのか、それまで全く動いていなかった足が時々動いた。
深く眠っているとわかっていても、やはり動くところを見るのは嬉しい。
偶然だとは思うけれど、声をかけて頭を撫でたら口端をあげて笑った。正確には笑ったように見えるだけなのだけど、それでも私の声が届いたような気がした。


一方で、辛さに追い討ちをかけたのが、長男コタロウとのことだった。
私が寝泊りした部屋はママ専用の部屋だったため、友人はおろか面会に来る夫ですら入室が許されていなかった。
それに加え、コタロウは小さすぎたのでコジロウのいる集中治療室には初め入室できなかった(後から決められた面会時間内ならば入室可能になりました)。

病院にはプレイルームがありましたが、そこで長時間くつろげるわけもなく、また私は3時間おきの搾乳があったため長く病院を離れることもままならず。

コタロウと会う時間がほとんど無くなってしまった。
しかしコタロウは会った時私に甘えることはあまりしない。かわいそうに、この状況を理解できなくても彼なりに感じているのだろう。夫の言うことをよくきいて嫌がっていた昼寝も素直にするらしい。
そして私に会うときはいつも笑顔だ。
でも病院から帰るときは、ママも一緒に車に乗れ(一緒に家に帰って)と主張する。
それをなるべく笑顔で見送ったが、車が遠ざかると涙が出た。



コジロウが誕生して1週間目。今日は少し特別な日だ。
そう、今日はお七夜の日。ありあわせの材料で命名書を作り、コジロウの枕元に飾った。


午後になってドクターから話があるということで、夫と通訳の方に来てもらった。
コジロウの状態がよくないとのことだった。
そして大きな検査をするのでその説明と両親の了解を得るサインを求められた。それにはアレルギー反応や副作用といったリスクが伴うかもしれないとのことだった。

検査は2日後。ということは、明日も明後日も進展のないまま過ごすのか・・・そして入院はもっと長引くのか。そう思ったら涙が溢れてきた。その少し前に全く私の言うことをきいてくれないコタロウにイラっとしておかしな態度をとってしまった。
今日は特別な日だから元気出していこうと思っていたのに、心に余裕がない証拠だ。
なんだか悲しくて、ママがいないのに毎日頑張っているコタロウに当たってしまった自分が情けなくて涙をこぼしながら帰宅する2人を見送った。

そして病室に戻り、眠り続けているコジロウの顔を見たらもうダメだった。
涙が溢れて溢れて、こぼれ落ちて、とても見ていられない。
一旦トイレで涙をぬぐって気持ちを落ち着かせてからまた病室に行ってみたものの、コジロウに治療をほどこしているドクターの前でまたうつむいてしまった。

看護婦さんが私にティッシュを差し出しながら励ましてくれた。
「今日は通訳の方も来てくれたし、明日も知人が来る。あなたは1人ではない。」

わかっている。それはわかっている。
夫をはじめ、私はたくさんの人に支えられている。
でも哀しくなるんだ。
このまま長引けば体力が落ちて悪化してしまうことはないのだろうか、そんな不安に苛まれるんだ。
本当に元気に動く姿を見ることができるのだろうか。
眠り続け、人形のような小さなコジロウを前に、私は何もできないんだ。


私が病室で泣いていた事は他の看護婦さんたちにも伝わっているのか、私の泣きはらした顔があまりにもひどいからか、廊下で会う他の人からも大丈夫かと心配する声をかけられた。
誰が見ても明らかに強がりと思える態度で何度も「はい、大丈夫です!」とうなずくのが精一杯。

優しくしないで。誰も私に声をかけないで!
何か話すとまた泣いてしまうから。


その夜はひどく疲れていたのでわりとすぐに眠りについたけれど、ふとしたひょうしに何度も、泣いた。
史上最悪ではないかと思えるくらいぶっさいくな顔で翌朝を迎えた。



★ポチっと応援ありがとうございます!! 励みになります★
↓ ↓ ↓

にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
にほんブログ村

« これはいい!おうちの中で砂遊び | トップページ | 最近のこと »

コメント

細かな状況が、当時の心境を思うと私まで涙が出たよ。

長女の切迫早産で長期入院中、当時3歳半の長男がお見舞いに来て元気と笑顔振りまき帰るたび、
甘えたい盛りの長男が日ごとしっかりしていくのを感じて寂しくなった・・、あの感じを思い出したよ。

今日を無事に平和に乗り切って、明日を今日に迎えて、今日が過去の思い出になっていくの繰り返し。
何度も言うけど、多くを望まない。今この瞬間の繰り返しを大切にしたい。って本当に思う。

光が頬にあたって、呼吸をしていて、夜は眠りについて(それも今は大変だろうけど)、朝を迎える。
それだけで幸せだ〜 って今私は思うし、思いたい。

色々落ち着いたら、色々しよう。望んでいれば、いつだって可能。待つよ。
今はお互い出来ることしよう(*゚▽゚)ノ☆

>imaちゃん

毎度染み入るコメントありがとう。
光が頬にあたって、呼吸をしていて・・・いい表現だなぁ。
強くも、慎ましやかに生きているimaちゃんが表れているよ。

そうか、あれは長男君が3歳半の時だったか。
立派に成長したねぇ。

その長男、思春期まっただ中で色々別なことに手を焼くけどwww
ウチにもお泊まり来た事ある長男の友達の母親がつい先日急逝してね..。
同じ母子家庭で、母親は私と同じ歳の頃だから、自分の健康維持も大事だと痛感した。
生きる事って、何もなければ傲慢に忘れるけど、実はとても大変な事だね(*´ェ`*)

>imaちゃん

母子家庭でそのようになってしまったの?それはもう・・・本当にただ生きるって大事だね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« これはいい!おうちの中で砂遊び | トップページ | 最近のこと »